1. 温泉の定義と分類 わが国において温泉とは、温泉法によれば「温泉とは地中から涌出する温泉、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、温度が摂氏25度以上か、または25度未満であっても法律で定められた19種類の物質を一つでも規定量以上含んでいるもの」と定義される。また、日本温泉協会では、含有鉱物成分によって、温泉を11に分類している。全国の温泉地別の主な泉質区分でみると、単純温泉と塩化物泉が最も多く、それぞれ全体の約25%を占め、硫黄泉が約17%となっている。 2. 温泉の効用 農耕民族としての歴史を持つわが国では、古くから正月の湯、寒湯治、春湯治(花湯治)、田植え後の湯治、夏湯治、秋湯治など、各地で季節的に湯治に出かける習慣があったが、これらは療養目的の他にもいわゆる骨やすめとしての利用も多い。現在も東北地方では農閑期における湯治の風習が残っており、療養、保養のための温泉地が数多く残っているとともに、漁業者も出漁前後に長期の湯治をする場合がみられる。 都市化が進展した現在の観光旅行においても、宿泊場所として温泉地を志向するなど、日本人の温泉好きには、このような歴史的な背景があるものと考えられる。このため、温泉に対する志向が多様化している昨今は、単なる歓楽地としての温泉地だけではなく、保養・休養といった温泉が有する機能についても今一度見直す必要があろう。 温泉の医学的研究は進展しており、温泉の医療効果が泉質別に明らかにされ、経験的に言い伝えられてきた効能も慢性疾患の長期療養においては、それなりの意義があることが証明されつつある。胃腸病や肝臓病には飲泉、リウマチ、関節障害、神経障害、皮膚病などは主に泉浴がよいとされている。 3. 過疎地と温泉 温泉地の観光実態として、全国宿泊観光の目的において温泉のニーズが高まっていること、温泉地の宿泊客数が増加傾向にあること、都市住民等の温泉地に対するニーズは、「自然環境」、「温泉情緒」、「やすらぎ」、「ストレス解消」などであることが分かっている。 過疎地域と温泉の関わりについては、過疎地域の市町村が過疎地域以外を上回る水準で温泉を保有していること、過疎地域のなかでも温泉を保有する市町村は財政力指数等の平均値が若干高いことなど、過疎地域と温泉地が深く関係しており過疎地域の大きなストックである。
5. 都市住民の過疎地域への期待とイメージ
6. 温泉資源の活用 過疎地域にとって、自然系地域資源である温泉の活用は、地域の活性化(交流人口の増加等)に有効な手段となり得るものであるが、近年は温泉地の競合が進んでおり、単に温泉を整備しただけでは地域の活性化は図れない状況である。温泉整備と同時に、地域住民の創意工夫によって温泉地の個性化を実現することが肝要であり、過疎地域自らが温泉地周辺の資源について考える姿勢が求められている。
〈配慮事項〉
1. 温泉地等の地域資源を活かした広域観光の振興(広域観光ルート)
2. 温泉地間の機能分担と連携 1)温泉地のコンセプトの明確化
2)温泉施設、交流・滞在施設間の連携
(3)交流・滞在施設の整備・活用方向
1. 交流施設の個性化・魅力化
2. 低料金・質の高いサービスの提供
市町村が、現在使用されていない廃校舎、家屋等遊休施設を宿泊施設や体験・交流施設として整備、再活用するために要する経費に対して補助を行う
(2)過疎地域に関連する施策
同じく交流・滞在施設の整備に関して、過疎地域に関連する施策(過疎地域に限定した施策ではないが、過疎地域においても摘要される)を下表に示した。これらのほかに、自治省でも「農山漁村ふるさと事業」などの施策が講じられており、都市住民との交流及び過疎地域おける交流・滞在施設の整備が進んでいる。 過疎地域に関連する主な交流・滞在施設の整備施策
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