(1)「ジュリアン」という名の活用方法
ジュリアンという名を。どのように使うかの例としては、まず、まちのイメージの表し方として、「ジュリアンの里西海町」、物産の例として既にある「ジュリアン卵」のように用いることが考えられます。
- 「ジュリアン」の呼称を冠するのは、既存の登録商標がない限り支障ない。
町外を含めて、「ジュリアン」という名称がどのように用いられているかを調査しました。その結果、町内より「ジュリアンの里」の名称で菓子の商標申請がされていることが分かりました。しかし、「ジュリアンの里」の商標は、申請されただけで、権利化されていないので、法的には使用しても支障ありません。他に町内では、卵と蜜柑にジュリアンの呼称を使っている例がありますが、商標登録はしてありません。
製品名として権利化されているのは、「ジュリアンライフ」という外国系の企業から出願された磁気枕があります。その他には服飾店や喫茶店などの屋号としての登録例があります。これらは、同じ目的で使用しない限り、支障はありません。従って、「ジュリアン」という呼称が、町や物産に冠してイメージ向上になると評価できれば、使うのがよいでしょう。
- ジュリアン会館の検討
平成7年に「ジュリアン会館建設検討委員会」が設けられ、設立の可否が検討されたことがあります。しかし、結論を得るには至っておりません。もし、何らかの形で、町に「ジュリアン会館」が実現すれば、その形態によっては、町のイメージ向上に役立つことでしょう。今後の課題の一つとします。
- ジュリアン公園の建設
中浦ジュリアンの生誕地として、長年検討してきた課題です。その一部が、予算化され、現在のジュリアン顕彰碑周辺を整備する形で実現する見通しになりました。グリーン・ツールズムの資源が、一つ充足されます。
- ジュリアンに関する説明書類
ジュリアンについては、町の観光資料の殆どに引用されています。また、町の小学校4年生の夏休み用副読本として、ジュリアンの伝記があります。しかし、外来一般に向けたジュリアンだけの公式紹介資料はありません。非公式にはジュリアン研究会が試作したものがあります。今後、町のイメージづくりのために、ジュリアンの呼称を用いる場合、併せてジュリアンの紹介パンフを作成するのが効果的でしょう。
(2)忠実の再発掘
ジュリアンを町のイメージ向上に用いることを前提とする場合、町として可能な限り、ジュリアンに関する資料を集積しておきたいものです。また、積極的にジュリアンに関わる催しを行いたいものです。
- ジュリアンに関する資料収集とリスト作成
ジュリアンの名前を引用した文献名を検索しただけでも、百件を超えることが分かりました。これらの中には、既に絶版になった書籍もありますが、コピーすることはできます。当面、町の史料館の一部にでもこれらの文献を収集してはどうでしょうか。もし将来、ジュリアン記念館が実現すれば、是非その中に備えたいものです。「ジュリアンに関しては、西海町に行けば分かる」というほどにまでなれば、町のイメージは上がります。収集は組織的に行うことが望まれます。
- ジュリアン物語の劇化
ジュリアンに関わる資料の中に、物語として書かれた書籍が幾つかあります。町の小学4年生用の副読本もその一つです。本を読むことも、対象に対して理解を深くする手段の一つですが、演劇は、対象に対して一層印象を深くします。町の新しい芸能づくりとして、ジュリアンに題材を求めることは、ジュリアンの知名度を高めるのに、効果的な方法と考えます。
- ジュリアン生涯のTV化
情報化社会の現代にあって、イメージ媒体としてのTVの存在は欠かすことができません。もし、ジュリアン物語の劇をTVに載せることができるなら、町のイメージを一気に高めることができます。かつて、NHKの大河ドラマの“黄金の日々”に、短い時間でしたが、横瀬浦を背景とした場面がありました。もし仮に、天正遣欧使節を中心とした大河ドラマが実現すれば、四人の使節の中で唯一人、生涯を布教に捧げて殉教したといわれるジュリアンに、最も脚光があたる可能性があります。時間をかけて、その実現を図ることが望まれます。
(3)国際環境演出
かつて、横瀬浦に難を避けて来航したのは、ポルトガル船です。従って、西海町と国際化を結ぶものは、ポルトガルの他にありません。西彼杵には、既に早くから外海町がフランスの町と姉妹提携を行い、続いて西彼町オランダ村ができました。もし今後、西海町がポルトガルに関わる演出を行うことができれば、西彼杵半島にポルトガル、フランス、オランダと、ヨーロッパの三国が結集することになり、話題を呼ぶことは疑うべきもないでしょう。
- ポルトガル料理レストランの開設
この委員会が設けられて3ヶ月後に、偶然にも町にポルトガル料理を看板にしたレストランが開業しました。今後の展開は分かりませんが、町では最もポルトガルに縁の近い横瀬浦の再開発と併せて、今後の課題の一つとなります。
- ポルトガルの古い協会の移転
近い将来、横瀬浦の再開発計画が行われる場合、天主堂跡または効果的な位置に、古い協会を再現できれば、話題性のあるものとなるでしょう。ただし、ポルトガル大使館の話では、まだ、ポルトガルから建物を移転した例はないそうです。
- ポルトガル民芸品の販売
調査の結果では、ポルトガル民芸品を仕入れることは、極めて容易と分かりました。しかし、闇雲に仕入れて売るのではなく、その場所を選び、演出効果を高めるのが望まれます。平成11年度事業で計画を進めている「道の駅」は、販売場所の候補の一つに挙げられます。当面、伊佐ノ浦の“ふるさと薬膳レストラン”の売店で、試験的に売ってみて来訪者の反応をみるのもよい方法と考えます。
(4)国際交流
町の国際交流の進め方に、二つの方向が考えられます。一つは、子供たちの世界的視野を広めるために、特に相手国を定めず、機会あるごとに水平的に交流を行う方法、もう一つは、町に最も縁のあるポルトガルと垂直的に交流を深める方法です。この委員会では、ポルトガルとの交流についてその可能性を検討しました。
- ポルトガルの町との提携
非公式にポルトガル大使館員と意見交換した結果では、日本では、まだ本格的に提携した町はなく、もし、西海町であれば、歴史的にも縁が深いので歓迎し、全面的に協力を惜しまないとのことです。両国の町の提携関係ができれば、人や物産の交流は、一段と展開が促進されるでしょう。しかるべき時期に、提携の公式折衝を始めるのが望ましいと考えます。
- 定期的なポルトガルとの交流イベント開催
外国の町と提携関係のある町の多くが、それぞれ国際イベントを行っており、町への来訪者を増やすのに一役買っています。国際イベントは、提携関係を結ぶ前でも、その気になればできないこはないでしょう。子供たちの相互派遣研修や物産展などが、最も手始めにできることです。しかし、継続性を持たせるには、やはり提携関係を結んでからの方が、より効果的に展開できるでしょう。
- ポルトガル関係の施設誘致
ポルトガル大使館の話では、国の財政上からみて、極めて難しいとのことでした。しかし、将来もし、ポルトガルの町との提携関係が結ばれ、交流が密になれば、歴史的な建造物が移設できる可能性がないわけではありません。それは、外国の町と提携した日本の町に、多くの先例があります。
まず、提携関係ができてからの将来の課題と考えます。
以上に、中浦ジュリアンを中心として考えられる、効果のある国際交流の体を挙げました。西海町の歴史的背景及び日本国内の先例の状況に鑑み、西海町のグリーン・ツーリズムにおける国際交流は、まずポルトガルとの提携関係を結ぶことから始め、それを軸にして、垂直的に、また水平的に国際交流を展開するのが、最も効率のよい手段と考えます。
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